公益社団法人 広島県理学療法士会
第9代会長 甲田 宗嗣 (令和元年6月就任)

令和7年6月の定時総会にて、会長として4期7年目を迎えることになりました。これまで会員の皆さまのご理解とご協力をいただきながら、組織改革を進め、地域に根差した活動を推進してまいりました。心より感謝申し上げます。引き続き、理学療法士の人格・倫理・学術技能の研鑽を促進し、広島県内における理学療法の普及向上を図ることで、県民の皆さまの医療・保健・福祉の増進に寄与してまいります。
以下に、私が特に重点的に取り組んでいる3つの課題についてご説明いたします。
地域の力を発揮させるための組織力強化
現在、地域医療構想や地域包括ケアシステムの推進に伴い、理学療法士の職責や職場環境にも大きな変化が起きています。このような背景の中、地方の職能団体としての役割や責任がますます求められています。
2023年に行った組織改定では、当会の11支部の支部長全員が支部理事として理事会に参画し、各支部の意見や地域の課題を迅速かつ的確に反映させる仕組みを構築しました。各支部持ち回りでの広島県理学療法士学会が再開され、定着したことも一つの成果だと考えます。
引き続き、施設間連絡や新人理学療法士支援などの標準的役割を定着・活性化させることで、組織力の更なる強化を目指します。
生涯学習制度の充実と改善
2022年4月に日本理学療法士協会の生涯学習制度が改定され、「登録理学療法士」の取得と更新が必須となりました。この制度はeラーニングを主体としており、職場における新人教育にも活用可能な仕組みです。
一方、制度導入から3年が経過した現在、資格更新手続きの煩雑さという課題も明らかになっています。特に、全会員が取得を目指す「登録理学療法士」資格の更新手続きについては簡素化が必要と考えており、協会への働きかけを行っています。合わせて、当会でも受講しやすい更新プログラムの構築などを検討します。
また、デジタル技術やDXの活用をさらに進めることで、仕事と生活の調和を保ちながら、効率よく新たな知見を学べる環境整備にも取り組んでまいります。
専門性を活かした地域・社会活動への参加
健康増進に関する啓発活動、スポーツ選手の支援、災害時支援など、当会の活動領域は広範囲に及びます。こうした活動を持続可能な形で実施するには、多面的な知識や経験を備えた総合的な職能が必要です。
そこで2023年の組織改定により、「執行委員会」の枠組みを新設し、役員以外の経験豊富な会員が活動に参画できる仕組みを整えました。現在、地域包括ケア、循環器病対策、産業保健、スクールトレーナー推進、高度医療リハビリテーション人材育成の5つの執行委員会が始動しています。
今後も、これらの委員会を通じて、より専門性を活かした効果的な地域貢献を目指します。
最後になりますが、理学療法士会は会員の皆さまのご協力なしに活動を継続することはできません。引き続きご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。