学術活動をしていることで得た臨床エネルギー!  理学療法士の学術活動紹介 

学術活動をしていることで得た臨床エネルギー!  理学療法士の学術活動紹介 

 学術活動がはじめての方には敷居が高くてなかなか一歩を踏み出せないという方も多いかと思います。そんな不安を抱えながらも、一歩踏み出すことで多くの出会いやきっかけを得て、現在、いきいきと活躍中の市立三次中央病院、上野千沙さんにお話しを伺いました。

 

「今でこそがんリハの学会等で多く発表されていますが、はじめての学会発表では不安でなかなか一歩踏み出せなかったと思います。はじめての発表のきっかけは何ですか。」

 自分が専門学校を卒業し臨床に出る際、“3年目までに学会発表をして全国学会に繋げたい”ことと、“卒後10年までに論文を書く”ことを目標にしていました。

 現実は、慣れないことや学ばないといけないことが多くあり、実現できるのか不安になってきていたんです。転機になったのは1年目の冬ですね。終末期のがん患者さんを担当することとなったんですが、今のように、がんリハの文献がほとんどなく、手探りで何とか自宅へ外出できた症例を担当することができたんです。先輩から振り返りとして症例をまとめみてはどうか?と提案していただいたんです。ただ、いきなり県学会などは不安だなと思っていた際に、支部の症例報告会でも発表できることを知り、2年目の夏に発表しました。

 発表って難しいってしり込みする人もいると思うんですが、私も職場の先輩などの前で予演会をしたり修正を手伝っていただいたり…本当に1から教えていただきました。支部で発表した際に、いろんな意見を聞くこともできて、せっかくなら修正して大きな学会で発表したらとアドバイスいただいたんですよ。

 病院の緩和ケアの認定看護師さんからの助言もあって、3年目の6月に日本緩和医療学会でポスター発表することに繋がりました。その時、フロアで聞いてくださった作業療法士さんや質問をしていただいた呼吸器内科医の先生が生まれて初めて学会で名刺交換した方々です。今でも連絡を取り合っており、互いに刺激しあえる貴重な出会いとなりました。

 

「学会発表後には、論文の執筆もされておられたと思います。論文を作成することも大変だったと思いますが、がんばれた理由は何ですか。」

 学会発表を続けるうちに、知り合いも増えていきがんリハの研修などに協力させていただくことも増えてきたんです。第一線で活躍されている先生方は大学や大学院卒業の方が多く、論文の書き方や研究の方法など専門的に習っていなかった私には無理なんじゃないかって諦めかけていました。

 実際に論文を書こうと思ったのは、7年目に学会で症例報告をさせていただいた時ですね。珍しい症例でリハビリについての方法など報告がほとんどない分野だったので、フロアから論文にして残すべきだよと声をかけてもらったんです。

 そんな時、職場の先輩から広島県理学療法士会のホームページに論文投稿の手引きがあるから、参考にしたらいいよって教えてもらいました。正直わからないことが多かったため、論文を書いたことがある先輩とか、学会で出会った友人にも聞いたりして書き上げました。  

 学会で出会った人で論文を一緒の時期に書き上げようって声をかけてくれた人もいて、互いに励ましあいながら取り組めたことも大きかったですね。書きあがって本になって手元に届いた時の嬉しさは、学会発表では得られない気持ちでした。実際に論文を書いてから、知らない人から学会で声をかけていただいたり、学会発表時に論文を手に持って質問に来てくださる人もいて、形にしてよかったなと感じました

 

「確かに、自分の書いた論文を手に持って質問いただいたりすると感慨深いですね。論文作成の中で良いネットワークが広がっていったんだろうなとお見受けします。最後に、上野さんの思う学術活動の醍醐味は何でしょうか」

 最初は学会発表も一つの目標で自分のためという意識でしたが、発表や論文を書く中で少しずつ意識も変わりました。

 発表すると、フロアで直接いろいろとお話しさせていただくことも増えてくるんです。その中で、みんな同じように悩んでいるんだなって気づくことにも繋がって…私はこんなことで悩んで、こう取り組んだってのを皆でシェアしたいなって今は思っています。

 学術活動って、最初は敷居が高いとか思うんですけどやってみると職場や学校では出会えない同じ意識を持った人に出会えるってのが醍醐味ですね。そういう場で出会った人とは何年たっても、イキイキと話ができるなって思っていて、会うために頑張ってるのもあります!!

「臨床と学術活動を両立されている上野さん。大変活き活きとインタビューに答えていただきました。今後もご活躍を応援しています。」

 

公益社団法人 広島県理学療法士会

学術局  中野 徹 

添付ファイル

添付ファイル(0)
ページトップ