2020東京オリンピック・パラリンピックメキシコ代表事前合宿トレーナー活動体験記

2020東京オリンピック・パラリンピックメキシコ代表事前合宿トレーナー活動体験記

2020東京オリンピック・パラリンピックメキシコ代表事前合宿トレーナー活動(体操競技)体験記

広島大学大学院 事柴壮武

 

今回2020東京オリンピック・パラリンピックの事前合宿として,メキシコ選手団の合宿へサポートトレーナーとして参加する機会をいただいたので,報告いたします.

 今回は広島市中区にある広島県立総合体育館において,体操競技の選手団に帯同させていただきました.5日間の合宿でメキシコ体操選手団は12名の選手とコーチ3名,本会からは1日2名体制で10名の理学療法士が参加いたしました.主なサポート内容としては,練習前・後のマッサージやストレッチなどのコンディショニング,テーピングや負傷時の応急手当,運動指導などを行いました.

 

 私は合宿初日に参加させていただきました.まずスタッフやジュニアの選手達とメキシコ選手団の出迎えを行い,盛大な歓迎ムードのなか,合宿が始まりました.私自身は体操競技や海外の選手に対応することが初めてでしたので,期待と不安が入り混じるなか,精一杯選手のサポートを行いました.メキシコではスペイン語が主流であるため,通訳の方を通じての対応となりましたが,詳細な主訴や説明が必要な状況では,コミュニケーションの重要さを改めて感じました.それでも,昨年の本会の取り組み成果により,本サポート事業の認知度も高く,初日から多くの選手に積極的に活用していただき,大変よい雰囲気のなかサポートすることができました.初日は軽めの練習でしたが,前日の夜に広島入りした選手達には,移動による疲労がみられ,午前7名,午後4名の対応を行いました.

体操競技では慢性的なスポーツ障がいが多く,今回問診を進めていくとメキシコ選手団のほとんどの選手は,何かしら身体に不安がある状態でプレーしていることがわかりました.そのなかで,休むことが厳しい,何が原因かがわからない,何をしたらよいのかわからないとの声が多くありました.理学療法士として,そういった声に対して,HOPS(ホップス)を用いて丁寧に評価を行い,アプローチ・効果判定,運動指導などで対応し,言葉が通じない分,タブレット端末の解剖アプリなどを用いてコミュニケーションを図りました.また,選手のみならずコーチも含めて必要な運動やチェックポイントなどを共有することで,その場だけではなくチームとして継続して実施していただけるよう,心がけて行いました.私は特別な技術や知識は持ち合わせておりませんが,普段行っていることを真摯に行うことで,メキシコ選手団の信頼につながることを実感いたしました.

5日間という短い期間の中で,連日スタッフ間で詳細に申し送りを行い,最高のホスピタリティでおもてなしできるよう,広島県理学療法士会がチームとして取り組みました.選手の状態や対応内容,気づきについての情報共有を行うことで,私自身の勉強になることも多く,スムーズなサポートにつながったのではないかと思います.最後にメキシコ選手団からは,「症状に対する対応だけでなく専門的なアドバイスが頂ける.このような経験は初めてだ.選手の理学療法士への信頼は大きい.」と大変有り難いお言葉をいただきました.日本の理学療法士として,また広島県として大変素晴らしい取り組みであり,貴重な機会をいただき,このような事業に関われたことを大変光栄に思います.今後も2020東京オリンピック・パラリンピックに向けて,スポーツ現場の取り組みに積極的に関わっていければと思います.

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